プルーストの光陰-34

Room 2301|紙、インク、金箔、糸 21 x 28.5cm 2016


「真の楽園とは失われた楽園である」(アンドレ・モーロワ)。
「私たちは同じ世界に生きている」という言い方について、私は疑問に思っています。この「同じ世界」において、ある人は一生海を見たことがなく、ある人は無神論者であり、ある人はセロリが好きだけれどもある人は嫌いであり、ある子どもは空から落ちてくる砲弾から逃げなければならず、ある子どもは放課後アイスクリームを食べています。プルーストは、真実は決して現実と等しいわけではなく、本当の世界は人々の各自の命の経験と感情の積み重ねによって構成されるべきであり、生命がある分世界もあるはずで、絶対的な物差しは存在しない、と信じています。『プルーストの光陰』は、一連の連続しない、欠けたところのあるシリーズであり、異なる作品が互いのパラレル宇宙となっています。なぜ欠けたところがあるのかというと、それが人に解読され、分解され、そして人の意識の中に再建されて初めて存在するからです。それらに不完全性があるからこそ、見ている人はもう今までのように鑑賞したり目にしたりするのではなく、作者の手を伸ばすことで、一つのまたとない、かつ表現できない真実の世界を組み立てることができるのです。


黄至正

2013 東海大学美術研究所 創作組
1988 台湾苗栗に生まれる

個展
2016「同日而語」、御書房、高雄、台湾
2015「彼岸遊蕩」、当代一画廊、台北、台湾
2015「空気楽園」、好氏品牌研究室、台北、台湾
2014「甦醒的季節」、雅痞芸廊、台北、台湾
2013「存在与想像的国」、楊嵐茵/黄至正ダブル個展、東海芸術センター、台中、台湾

展示会
2016「台北国際芸術博覧-新人推薦特区」、台北世界貿易センター、台北、台湾
2016「動物学者3.0」 伊日芸術駁二空間、高雄、台湾
2016「生物公寓Bio Apartment Vol.3-演替」、台大植物標本館、台北、台湾
2016「未来大明星-留言」、缶茶書館、台北、台湾
2016「7号(房)特刊:Un nomade」,b. LAB基礎実験、台中、台湾

受賞
2016 台湾製造新人推薦特区、台湾
2016 天美芸術基金会台湾当代芸術家海外訪問計画第三站-上海、北京
2014 入選、高雄賞 版画類 、台湾
2013 入選、台南新芸賞 、台湾
2012 入選、新北市新人賞 、台湾

コレクション
2016「相遇時刻3」、 国立台湾美術館、台中、台湾
2015「花草偈3」、国立台湾美術館、台中、台湾
2015「腐朽花園」・「相遇時刻」・「花草偈」 、台南美術館、台南、台湾

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