今年の冬休みに久しぶりに故郷の高雄に戻り、すぐ港に行きました。港に私の故郷に対する最も深く、すり減らすことのできない記憶があるからです。風に吹かれ、少しばかりのしょっぱい匂いを嗅ぎ、波が岸を叩く音を聴き、岸についている船を眺めながら、自分は海水だ、波だ、船を押して港に戻らせ、最も温かい、両腕を広げて迎えてくれる故郷に戻らせる、と想像しました。
当時の港の一角を切り取り、気楽に、写生の筆致により、頭に留めてある港の景色を描きました。波が自分を象徴する女の子たちと化し、船を押して岸につかせ、そして波自身も船の後について愉快に岸につき、家に戻ったのを幻想しながら。